みにまるなひげ

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【読書メモと感想】「いらない保険」|プロほど保険に入らない。保険業界の本当の話。

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2019年発行の新書「いらない保険 生命保険会社が知られたくない「本当の話」」(後田亨+永田宏 著 / 講談社)を読みました。

著者は日本生命の営業部門で約10年勤めた後田さんと、医療情報学・医療経済学の教授である永田さんの2人。

後田さんは、「保険をよく知るひとほど保険に入らない」と語ります。

本書では、保険会社の「いいカモ」にならないよう、保険ができることの限界と保険業界の真実、そして保険の代わりに利用すべき将来への備えについてまとめられています。 

参考になった部分のメモと感想をまとめました。

「いらない保険」目次。

 

序章、その保険、本当に頼りになるの?
第一章、最強の保険は健康保険
第二章、がん保険の「ストーリー」にだまされるな
第三章、介護保険に勝る現実的方策
第四章、貯蓄・運用目的の保険はいらない
第五章、結局、「保険」をどうすればいいの?
終章、保険はあなたの人生を保障してはくれない

 

保険が必要な人はごくわずか。

本書に登場する保険の商品設計に関わってきた専門家は、「老後の病気などには『健康保険』が一番」と断言します。

 大手生保の管理部門で、もうじき定年を迎えるひとも「保険が必要なのは、自立していない子供がいる世帯主の死亡保障くらい」と言います。

意外と知らない健康保険のお得な使い方「高額療養費制度」。

国民が皆入っている健康保険。これがあるだけで「高額療養費制度」が使えます。

高額療養費制度とは、病院への1カ月の支払いが一定の限度額を超えた場合、超過分の医療費をほとんどタダにしてくれる制度です。

 

限度額は個人ではなく、世帯にかかります。つまり、一家全体の医療費が限度額を超えていれば、制度の適用を受けられるのです。

 
この限度額は、所得に応じて5段階に設定されています。

たとえば、70歳未満で年収約370〜約770万の人の総額80万の医療費は、3割負担なら24万円ですが、高額療養費制度を利用すれば、実際の自己負担は8万5430円で済みます。(ただし入院中の食費は別。本人希望で個室など選んだ場合の追加料金も別)

 

 しかも1年間のうち、限度額を超える月が3回以上あった場合、「多数回該当」といって、さらに大幅値引きの対象になるのです。

「どんな病気でも医療費は50万円で済む」。 

実は、現役の医師の多くが「どんな病気でも、社会復帰や家庭復帰までの医療費は50万円で済む」と言っています。

  
また、政府は膨らむ医療費負担の対策のため、入院日数を減らすよう病院に働きかけており、今後入院日数はどんどん減る見込みとのこと。

また、手術でなく薬で直せたり、手術は開腹でなく内視鏡で済んだりと、保険適用になる「大手術」は減っている、と著者は語ります。

 

つまり今売られている医療保険では、最高額の手術給付金をもらえる見込みがほとんどない、ということになるのです。

医療保険に入るなら、短期の掛け捨てを選ぶ。 

どうしても医療保険に入りたいなら、短期(1年ないし数年定期)の掛け捨てのものを選ぶほうが、リスクを低く抑えられるはずです。

がん手術から退院までの日数は10〜20日。

肺がん手術を受けても、たいていは10日から2週間で退院です。

(中略)大腸がん(結腸がん)は多少長引きますが、それでも20日を超えることはありません。

がん保険に入る前に、健康保険の「傷病手当金」を知ること。 

がん保険に入る前に全ての会社員が知っておくべきなのが、健康保険の「傷病手当金」だと著者は言います。

 一定の条件を満たせば、最長18カ月にわたって、それまでの標準報酬月額(各種手当を含む月給)の3分の2に相当するお金がもらえるという制度です。

たとえば月給45万円のひとなら、毎月30万円の傷病手当金を1年半もらい続けられるというわけです。

 

もちろん有給休暇(最長40日間・実質2カ月間)も活用できます。病気で長期休業を余儀なくされた場合は、まず有給休暇を使い、それでも足りなければ傷病手当金の支給を受けることが鉄則です。

 

しかも、傷病手当金の支給は、クビなどで会社をやめたとしても受け続けられるとのこと。有給休暇も加えたら最長20カ月、安定収入が入る計算になります。

ちなみに、私のように国民健康保険を利用している自営業者、いわゆるフリーランスだと、傷病手当金制度も有給もないので注意です。

それでも保険に入るまでもなく、普段から預貯金をしっかりしておいて、いざというときには高額療養費制度を利用すれば良いようす。

 

介護保険に入るとしてもせめてあと5年待つべし。 

介護保険は役に立たない。入るとしてもせめてあと5年待とう。と著者は語っています。

その理由は、老化を遅らせて今世紀中に寿命を150歳くらいに延ばすというアンチエイジング研究が現在飛躍的に進んでいるから。

この「老化を治す」という研究が今どれほど進歩しているかについては、「ライフスパン 老いなき世界」に詳しく書かれています。

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保険に支払うより、つみたてNISAなどで投資するほうが良い。

本書では、保険に勝る運用・資産形成法について、「確定拠出年金」「つみたてNISA」「個人向け国債」が挙げられています。 

具体的には、「個人向け国債 変動10(変動金利型10年満期)」がいいでしょう。最低金利保証(0.05%)があり、購入から1年後以降は元本割れがなく、金利上昇にもある程度ついていくことができます。

保険会社のリスク管理に関わってきた専門家が、「法人でも(変動10を)買えると助かるのに……」と発言したこともあります。

お金の運用にとくに興味が持てないひとなどは、個人向け国債変動10を買うくらいでいいのではないでしょうか。

 「年金が当てにならないから民間保険で備える」は愚か。

国の年金制度について、「国は当てにならないから、民間保険で備える」のは愚かだと著者は言います。

 

国のお金は国民から集めているのです。国の制度が立ち行かなくなるとしたら、その前に企業も国民の生活も破綻しているはずです。

 

保険会社の場合、主に国債でお金を運用していますから、国債の価値がなくなるころにはやはり破綻する可能性大、ではないでしょうか。

保険は結局、期間限定で利用するのが賢明。

「保険はいらない」という主張を貫いている本書ですが、期間限定で保険加入や見直しをしたい人のため、参考として比較対象になる保険会社やプランが具体的に記載されています。とはいえあくまでも著者の結論は以下。

結局、保険は、現役世代が緊急・重大な事態への備えのために期間限定で利用するのが賢明なのです。

自営業者におすすめのお金の備え。

自営業者は「個人型確定拠出年金」や、(中略)「小規模企業共済」を利用したり、その掛け金をふやすといった選択をするほうが、自分のためになると考えます。

感想:「保険てよくわからない」と思ってる人におすすめの1冊。

保険を検討する利用者の目線に立ってくれているので、とても読みやすい1冊です。

また、著者自身がフリーランスなので、同じフリーランスとしても参考になります。

私自身、国保と賃貸の火災保険以外入ったことがありません。生命保険や医療保険に入って掛け捨てしたり手数料を取られたりするよりも、同じ額の貯金をしたほうがいいのでは、とずっと思ってきました。

周りで保険に入ってる人たちが、その保障内容も払ってる額も覚えてない、というのも、保険に対して引っかかり続けてきたポイントです。

その「なんとなくいらない気がする」「なんとなくモヤッとする」という気持ちが、本書の根拠と経験を踏まえた内容を読むことで、スッキリ解消されました。

「保険てよくわからない」と思っている人におすすめの1冊です。

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