ロバート・キヨサキ著のビジネス書「金持ち父さん 貧乏父さん」(筑摩書房)を読みました。
「真面目に働いているのにいつもお金に困っている」実の父と、
「あくせく労働することなく、効率よくお金を得ているお金持ち」である友人マイクの父、
それぞれの父から著者が学んだお金に振り回されずに心身豊かな人生を過ごすための知識とお金との上手な付き合いかたについて書かれています。
在宅フリーランス(漫画家)の私は、確定申告は毎年税理士さんに丸投げで、お金の知識も使いかたもとても未熟です。
いままで「とにかく浪費を避けて、真面目に稼いで、ちゃんと貯めればいいんだろう」と、かなりざっくりとした考えで、真剣に「お金」と向き合ってきたことがありませんでした。
ここでゼロからしっかり学ぶべく、お金について学べる入門書の中でも、名著の1冊とされている本書を読んでみました。
グッときた部分のメモと感想をまとめます。
- 「富」=「あと何日間あなたが生き残れるか」。
- 「会社」とは、一通のファイルにすぎない。
- 「頭がいい人」よりも「度胸のある人」。
- 恐怖を力と知恵とに変えること。
- 成功するのに必要不可欠な能力とは。
- 自分より頭のいい人間と仕事をする。
- お金持ち・中流・貧乏人のお金の使い方の違い。
- 「ビジネス」と「仕事」の違い。
- 自分にとって一番好きな「資産」を手に入れること。
- まず与えて、次にもらう。
- 欲張ることに罪の意識を持たないこと。
- 「手に入れるためにはどうしたらよいか」自問する。
- 「本来こうあるべき自分」を避けてしまっているときは。
- まずは「自分」に支払うこと。
- 資産を増やすまでに大きな障害となるもの5つ。
- バランスをとるのではなく、焦点を絞ること。
- お金のために働くのではなく、お金を自分のために働かせる。
- 【感想】読みやすく、読み返すたびに学びがある本です。
- 関連記事はこちら。
「富」=「あと何日間あなたが生き残れるか」。
富というのは、あと何日間その人が生き残ることができるか。
つまり、今日仕事をやめたとして、あとどれくらい生きていけるか。その能力を指す。
「会社」とは、一通のファイルにすぎない。
会社とは、実質的には弁護士事務所のファイルに入っている、何枚かの法的書類を綴じ込んだ一通のファイルにすぎない。
「頭がいい人」よりも「度胸のある人」。
頭がいい人よりも「度胸のある人」のほうが、成功への道を先へ進んでいく。
恐怖を力と知恵とに変えること。
リスクを負うこと、大胆になること、恐怖を力と知恵とに変えること。
成功するのに必要不可欠な能力とは。
専門的な技術の中でもっとも大事なのは、セールスとマーケティング。つまり売る能力。
人生で成功するのに必要不可欠なのは、書く、話す、交渉するといったコミュニケーション能力。
自分より頭のいい人間と仕事をする。
金持ち父さんはマイクと私に、浅く広く知識を増やすようにいつも言っていた。
また、自分より頭のいい人間と仕事をし、そういう人間を集めて一つのチームとして働かせるように、とも教えてくれた。
「自分より頭のいい人」とは、たとえば税理士や弁護士など、自分が知らない専門知識を持つ人のことだそうです。
お金持ち・中流・貧乏人のお金の使い方の違い。
金持ちは資産を買う。
貧乏人の家計は支出ばかり。
中流の人間は資産と思って負債を買う。
「資産」と見せかけた負債とは、たとえば新車や新築住宅のローン等を指すそうです。
「ビジネス」と「仕事」の違い。
自分がその場にいなくても収入を生み出すのが「ビジネス」。
自分がその場にいて働かねばならないのなら「仕事」。
どちらも同じ意味だと思っていた私…。
漫画家の場合、原稿を描いて原稿料を得る部分が「仕事」で、コミックスや電子配信で印税収入を得る部分が「ビジネス」ということですね。
自分にとって一番好きな「資産」を手に入れること。
一番好きな資産、楽しい資産を手に入れること 。
元手を回収したあとにタダで手に入る資産を持つ。
ちなみに「資産」の例は以下。
・ビジネス(会社を所有しているが、運営は他人がやっている)
・株
・債券
・不動産収入
・手形、借用証書
・音楽、書籍等の著作権、特許権
・その他、価値のあるもの、収入を生み出すもの、市場価値のある物品
まず与えて、次にもらう。
金持ち父さんは、お金が足りなくなると、教会や慈善事業に寄付をする。
(中略)自分がほしいと思っているものをまず人にあげると、必ずそれが戻ってきた。
お金に困っていたり、適職が見つからずに困っている人は、この「まず与えて、次にもらう」ことが欠けている場合が多い。
よい生徒でもなく、よい教師でもないから貧乏でいる、という人を、私はたくさん知っている。
「まず与える」という言葉は、ほかのビジネス書や実用書、自己啓発書でもよく見かけます。ほんとうに大事なことなんだなと、あらためて感じます。
欲張ることに罪の意識を持たないこと。
欲張ることよりも、それに関して罪の意識を持つことのほうがよくない。
「手に入れるためにはどうしたらよいか」自問する。
「それを買うお金はない」と言ってしまうと、頭が働くのをやめてしまう。
「どうやったらそれを買うためのお金を作り出せるだろうか?」と自問すること。
「本来こうあるべき自分」を避けてしまっているときは。
心では、「本来はこうあるべきなのに」と分かっているのに、それを避けている自分に気づいたときはいつも、
「それをしたらどんなプラスがあるだろう?」と自問しよう。
まずは「自分」に支払うこと。
外に対する支払いのあとで、残った分を自分に支払いしようとすると、あまり残らない。
まずは自分に支払って、残りを外に対する支払いにあてる。
(中略)外への支払いに足りない分を補うために、なんとか新たな収入の道を見つけようと頑張るので、お金に関してより賢くなるし、より多くの行動力がついて、強くなる。
資産を増やすまでに大きな障害となるもの5つ。
お金の流れは読めるようになったのに、多額のキャッシュフローを生み出す可能性を持つ資産を増やすことができないという人にとって、大きな障害となるものとして次の5つが考えられる。
恐怖心
臆病風
怠け心
悪い習慣
傲慢さ
バランスをとるのではなく、焦点を絞ること。
手持ちの金は少しだが金持ちになりたい人にとって必要なのは、バランスをとることではなく、焦点を絞ることだ。
成功している人を見ればすぐわかる。
スタートの時点では彼らはバランスのとれたやり方など決してしない。前に進むにはまずバランスを崩さねばならない。歩き始めるときと同じ。
お金のために働くのではなく、お金を自分のために働かせる。
中流以下の人間はお金のために働く。
金持ちは自分のためにお金を働かせる。
お金がどのように動くかを理解し、お金のために働くのではなく、お金を自分のために働かせるにはどうしたらよいかを学ぼう。
【感想】読みやすく、読み返すたびに学びがある本です。
何度も読み返す本(と仕事で関わった本)だけを残して、のこりの2,000冊近い本を断捨離した私。
本書は、そうして手元に残した約30冊の本のうちの1冊です。
著者が子どもだったころの体験をもとに書かれているので、2人の父さんの教えもわかりやすく、読みやすいのですが、普段お金の知識とちゃんと向き合っていなかった私は、ところどころで脳みそがパンクしていました。
(特に後半は不動産投資の話になるので、興味のない私は斜め読みしがちでした)
それでも時間を置いて繰り返し読み返すことで、前回読んだときの学びを復習しつつ、そのときは全然頭に入っていなかった部分がちょっと理解できるという、読み返すたびに学びがある本です。
今後実現したい働き方や生き方を具体的に考えるためのヒントをたくさんもらえました。