2024年発行の実用書「人生を好転させる掃除道」(枡野俊明 著/三笠書房 刊)を読みました。
著者は曹洞宗徳雄山建功寺の住職。
修行の一環として「掃除」「少ない持ち物」「シンプルな生活」が長年の習慣になっている経験から得た、「シンプルな掃除と生活のコツ」がまとめられた一冊です。
江戸時代、日本の家々を訪ねた外国人が、和室のものの少なさと片付きっぷりを見て「泥棒が入った後かと思った」と驚いたのだとか。
私の中のミニマリズムの興味はそんなシンプルさにあるので、それに近い生活(修行)をしているであろうお坊さんの掃除の詳細にも興味津々です。
グッときた部分のメモと感想をまとめました。
自分自身を見失ったら、掃除。
自分自身を見失ったら、まず自分がそういう渦のなかにいることに気づかなくてはいけません。その気づきを与えてくれるのが掃除なのです。(16ページ)
整理整頓や掃除をすると、ごちゃついた脳内も瞑想したかのようにスッキリするので、まさに納得!の言葉なのですが。
これ、断捨離を始めて10年近く経った今でもつい忘れてしまう言葉でもあります。
悶々と悩んでいると、まんまとその渦に巻き込まれてしまって、「そうだ掃除(整理整頓)して切り替えよう!」という発想になりづらいのです。
こうした本を読むことで、「そうだった!」と思い出させてくれます。ありがたや。
徹底掃除のペース:「磨き作務」と「大掃除」
このほか2、3か月に一度行なうものに、「磨き作務」があります。
お湯で濡らして固く絞った雑巾で漆塗りのものを拭いたり、金箔を貼った調度品を磨いてピカピカに光らせたり、一心不乱に磨いています。
加えてお盆の前、7月の第1週と、お正月の前の12月第1週の年に2回、大掃除を行ないます。
これがなかなか大変で、まず3.6メートルほどの高い脚立にのぼって、天井や欄間に積もったほこりを全部落とします。(99ページ)
お坊さんの大掃除のペースって気になってました。
もしかして毎日、天井から欄間まで徹底的に掃除しているのかと思っていたので、ちょっとホッ。
掃除用具は4つだけ。
はたき、ほうき、雑巾、バケツ……雲水(修行僧)が掃除に使うのは、この四つだけ。
はたきをかけてほこりを落とし、ほうきでゴミを掃いて、雑巾で拭き掃除。
基本はこの三つの動作で十分、家をピカピカに磨き上げることができます。(144ページ)
「階段の隅」や「巾木(はばき)の上」など、掃除機やフローリングワイパーだと届かない微妙な部分って結構あるので、
そんな細かいところまで掃除が行き届く「ほうき」や「雑巾」の有能さに、近年注目しています。
とはいえ4つだけというのは、あくまで修行僧の場合。一般家庭の場合は上記4つに加えて「掃除機」と「使い古しの歯ブラシ(サッシの溝や家具の隙間用)」もあると良いのでは、と著者。
感想|室内用ほうきへの興味が高まった一冊。
近年は掃除と洗濯のシンプル化に取り組んでいて、あれこれ試行錯誤している真っ最中。
「はたき」と「ほうき」に興味を持っていたタイミングだったので、背中を押してもらった感があります。
今までいろんな掃除用家電にトライしてきたのですが、結局使わなくなって処分して。。の繰り返し。
気楽でシンプルな掃除法を模索した結果、最近ほうきや雑巾に興味を持っている次第です。
加えて、掃除中のホコリ避けとして、マスクがわりに手ぬぐいで口を覆っているのですが、手ぬぐいもまた、掃除・包装・ハンカチやマスクがわりと、1枚でいろいろな使い方ができてめちゃくちゃ便利。
掃除道具って江戸時代ですでに完成されてたんだと思うと、日本の文化ってすごいなと驚きます。
ウエス(使い古したタオルや服を適当に切って作った、使い捨て雑巾)は最近使うようになったのですが、ほうき(室内用)はまだ検討中。一度買うと長く使えそうなので、買うとしたら吟味してお気に入りを手に入れたいところです。