2018年発行の確定申告と節税の実用書「お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたが税金で損しない方法を教えてください!」(大河内薫 著、若林杏樹 漫画、サンクチュアリ出版)を読みました。
著者は「日本一フリーランスに優しい」税理士。
日本大学芸術学部出身で、これまで芸術、芸能系からアフィリエイター、ブロガー、Webマーケターまで、フリーランスやクリエイターの税金関係をたくさん見てきたという税理士さんです。
最新のWEBサービスに詳しく、仮想通貨や副業の税金にも精通しています。
本書の9割を占める漫画部分は若林杏樹さんの手で描かれており、「税金のことも確定申告のことも全然わからないという脱サラフリーランスの漫画家あんじゅ先生に、大河内税理士がアドバイスをしていく」というストーリーになっています。(情報は2018年9月時点のもの)
税理士に依頼せず自力で確定申告(e-tax)したい人のために、
「どこまでが経費?」
「おすすめ会計ソフトは?」
「普段の帳簿のつけかたは?」
「確定申告書の具体的な記入方法を写真つきで見たい」
「フリーランスに関わる税金と節税方法が知りたい」
など、初心者の細かい要望に応えてくれる一冊です。
フリーランス初心者の中でも、
・初めて確定申告をする
・会社勤め(社会保険)からフリーランス(国民健康保険)になった
・会社員をしつつ副業をしている
・白色申告しかしたことがない
・税理士に頼まず自力で確定申告したい
といった方に特におすすめの内容となっています。
すでに自力で青色申告e-taxしてる方や、自分なりの経費や帳簿付けの基準ができている方は、節税の部分を読むと有益です。
私の場合、フリーランスになって最初の3年分は自力で白色申告していましたが、それ以降は税理士さんに依頼して青色申告しています。
税理士さんに丸投げなので、忘れている知識やそもそもよく理解できていない知識も多いのですが、これ一冊でそれを補完してくれているので復習にも勉強にもなります。
今後自力で確定申告することになったとしたら手引きとして参考にする一冊です。
参考になった部分の読書メモと感想をまとめました。
- 源泉徴収の見方。
- 売上と課税所得の違い。
- 確定申告不要でも、したほうが得な場合アリ。
- 開業前から領収書やレシートを保存しておく。
- 「事業税」漫画家は非課税、ブロガーは課税。
- 2020年からの基礎控除額の変更点。
- 「扶養が外れないよう、パートを減らす」の勘違い。
- 「税務調査」=「確定申告の答え合わせ」。
- よくある「勘定科目」一覧。
- 自信を持って経費を主張する。
- レシートや領収書が出ない時は。
- 青色申告の流れ。
- 青色申告決算書で大事な2つ。
- 会計ソフトがあれば簿記の知識がなくてもOK。
- 帳簿でよくある勘違い。
- 会計ソフトで帳簿をつける流れ。
- おすすめの青色申告の会計ソフト。
- 確定申告書Bを作る裏技。
- 確定申告の期限に遅れた場合のペナルティ。
- 税理士に相談した方が得なのはどんな時?
- 税理士と契約するときの見極めかた。
- 副業で確定申告が必要な人。
- メルカリ出品で得たお金はどうする?
- 感想:「フリーランス1年目に読みたかった」一冊です。
- 関連記事はこちら。
源泉徴収の見方。
意外としっかり理解できていないことが多い、会社でもらう「源泉徴収票」の見方について。
「支払金額」は、会社が1年間払った給与の総額(年収)。
ここから「源泉徴収税額」(所得税)と「社会保険料」(健康保険と年金)を引いたものが「手取り」。(20、21ページ)
売上と課税所得の違い。
税理士さんに確定申告を丸投げする場合でも、最低限覚えておきたい、「売上」と「所得」の違いについて。
売上ー経費ー控除=課税所得(48ページ)
確定申告不要でも、したほうが得な場合アリ。
たとえば、課税所得が0円なら確定申告しなくても問題ないですが
源泉徴収されている分を申告すれば
払いすぎていた税金なので返ってくる可能性がある!(56ページ)
原稿料や印税は、あらかじめ一定の所得税が引かれた上で振り込まれます。だいたいは払い過ぎになっており、翌年に確定申告をすることで、申告後2〜3週間程度でその払い過ぎた税金が「還付金」として戻ってくる仕組みです。
収入が少ない年は、この「還付金」がありがたいんです、ほんと。
開業前から領収書やレシートを保存しておく。
会社を辞めていなくても、開業前でも、フリーランスを思い立ったその日から、領収書やレシートを集めておくこと、と著者。
というのも、開業前に使った仕事関連の経費は、後々「開業準備費用」ということで確定申告に反映できるからです。(30ページ)
「事業税」漫画家は非課税、ブロガーは課税。
所得に対してかかる税金には「事業税」というものもあります。税金の行き先は地方自治体で、翌年8月と11月の2回払いです。
この「事業税」、漫画家、文筆家は非課税となっています。しかし、同じ文章書きであるブロガーは、アフィリエイトで稼いでいると広告業(事業税5%)になるとのこと。
でも、「文章を書いて生計を立てています」と説明すれば、非課税判断になる場合もある。(42ページ)
2020年からの基礎控除額の変更点。
「基礎控除」は、今まで誰でも38万円引いてもらえたのですが、2020年分から変更になりました。
基礎控除額は、2020年分から所得に応じて0〜48万円となります(47ページ)
「扶養が外れないよう、パートを減らす」の勘違い。
不要が外れるラインは103万円なのか130万円なのか。「2つの扶養の違い」について解説されています。
【社会保険の扶養】
得する人|扶養してもらう人
メリット|扶養する人が厚生年金なら、扶養してもらう人の健康保険と年金の負担が0円になる
扶養してもらう人の給与年収の壁|130万円
【所得税の扶養】
得する人|扶養する人
メリット|扶養する人の所得税が安くなる
扶養してもらう人の給与年収の壁|103万円(※配偶者には細かい規定有り)(74ページ)
つまりは社会保険で誰かの扶養に入りたければ、給与年収130万円だけを意識すればOKとのこと。
「税務調査」=「確定申告の答え合わせ」。
「確定申告書を提出できた」=「申告内容に誤りがなかった」というわけではなく、あくまで「提出しただけ」。
数年後に税務調査がくる場合があり、その時に初めて「答え合わせ」することになるとのこと。
税務調査というのは……正しく確定申告されているか税務署から調査官が来ること!
法人は4〜5年に1度来ると言われており個人に来る確率は1〜2%
基本は調査官の質問に答える感じで穏便に進みます(調査日を交渉できる余地がある)
(中略)調査官が来るのは「あなたが提出した確定申告に質問がありますよ」という時!
「税務調査」=「悪いことした」ではないよ(87ページ)
税務調査では、「自分が支出したものがどこまで経費になるか」が主な論点になるとのこと。
間違っていた場合でも、そこまで怒られないそうです。
よくある「勘定科目」一覧。
交際費|営業目的での接待の飲食代、お歳暮、お中元、贈り物など
旅費交通費|電車・バス・タクシー代、宿泊代など
車両費|ガソリン代、高速代、コインパーキングなど
取材費|取材にかかった交通費、宿泊代、飲食代など
修繕費|パソコンやカメラの修理代など
消耗品費|10万円未満のパソコン用品、文具などの事務用品、名刺代など
広告宣伝費|広告掲載料やWebサイトの製作費など
新聞図書費|書籍、雑誌、電子書籍、新聞など
会議費|打ち合わせの飲食代など
外注費|外部への業務委託費など
地代家賃|家賃、契約更新料、月極駐車場代など
通信費|電話代、インターネット利用料、ドメイン代、サーバー代、切手・ハガキ代、郵送料など
水道光熱費|電気代、ガス代、水道代
租税公課|一部の税金(事業税・固定資産税など※)、収入印紙代など
研修費|セミナー参加費用など
諸会費|会費やオンラインサロンの支払いなど
支払手数料|銀行の振込手数料、各種手数料、そのほかサービスの対価
支払報酬|税理士報酬や士業報酬など
雑費|どの項目にもあてはまらない経費(92ページ)
「所得税」と「住民税」は経費にならないので注意。
上記の勘定科目は一般的な例で、自分で設定してもOKだそうです。「雑費はなるべく使わないように」とのこと。
ちなみに、税理士さんにおまかせしている私の帳簿の勘定科目も同じ内訳になっています。
著者によると、「飲食費」は法人の基準と同じく以下のように分けておくのがオススメだそうです。
・交際費=1人あたり税抜き5,000円超の飲食費
・会議費=1人あたり税抜き5,000円以下の飲食費
また、
どの経費が何の科目に入ってようが一緒!
税金額を計算できればそこまで大きな支障なし!(93ページ)
とも語られています。
自信を持って経費を主張する。
「あなたが仕事と関係すると自信を持って言える経費」については、誰がなんと言おうと、ドンドン確定申告書に反映した方がいいと思います。(109ページ)
たとえば漫画家の場合、ゲームソフトや漫画雑誌、小説、美術館のチケット代など。
「100%経費です」とは言えなくても、趣味として遊んだものでもちょっと仕事の参考にもなっているなら10%経費にしたり、作品の資料として買ったものならもっと多い割合で経費にしたり。
レシートや領収書が出ない時は。
レシートや領収書が出ない場合は「出金伝票」(100均や文房具店で買える)を使うと良いです。
・日付、相手先、勘定科目、支払った内容を記載
・金額は作成後に改ざんできないように、¥やーを書く!
あとは「証拠資料」を補足で用意すればOK(96ページ)
「証拠資料」は、交通費なら履歴印字、ご祝儀やお香典なら案内状や香典袋のコピーなど。
私も税理士さんから同じようにアドバイスされているのですが、手間なので結局経費にせずに済ませてしまってます。
青色申告の流れ。
1 経費で使った領収書を保存
2 日々の取引を帳簿につける(1月1日〜12月31日)
3 帳簿をもとに青色申告決算書(4枚)を作成
4 確定申告書B(2枚)を作成
5 税務署に提出=確定申告!(124ページ)
青色申告決算書で大事な2つ。
青色申告決算書は4枚あるんだけど大事なのは
貸借対照表
損益計算書
この2つ!!
これを作るには日々の領収書をまとめた帳簿がカギだよ(125ページ)
会計ソフトがあれば簿記の知識がなくてもOK。
会計ソフトがあれば簿記の知識がなくてもOK
会計ソフトの購入に多少はお金がかかりますが(約1万円)ソフトで帳簿をつけられて青色申告決算書を自動で作ってくれる!
65万円控除を受けられるので断然お得!ヨユーで元とれます。(125ページ)
帳簿でよくある勘違い。
たとえばあんじゅ先生が12月にマンガを納品しました
12月24日に請求書を出して…
1ヶ月後にギャラが入金されました
「入金された1月の売上で帳簿をつけるんでしょ?」
答え 実は12月の売上になります
売上や経費は支払いがあった時点ではなく
請求書を発行した時など
金額が確定した時点が正しいタイミング
現金主義ではなく発生主義で考えます
現金主義:報酬の支払いや受け取りがあった日を収入日にする
発生主義:報酬の支払いや受け取りが確定した日を収入日とする(126ページ)
これは私もよく間違えて、税理士さんに訂正されています。
会計ソフトで帳簿をつける流れ。
基本はどの帳簿も「日付」「金額」「勘定科目」「簡単な取引内容」を記載すればOKとのこと。各帳簿の役割については以下。
【日々つけるメインの帳簿はこれ!】
・現金出納帳|
現金のやり取りを記録する。使った経費はここに記載しておこう。
他にも現金取引で入ってきた売上があれば記載を忘れずに。
毎日ではなくても大丈夫なので、まずはこれを日々漬けるのを習慣にすると、あとあとラク。
・預金出納帳|
預金のやり取りを記録する。通帳をそのまま転記でOK。(127ページ)
【場合によっては、年末年始の処理だけで良い帳簿はこれ!】
・売掛金元帳|
売上の未収状況を記録する。
「売掛金」は簡単に言うと、「売上」として確定しているけど、まだ入金されていないもの。請求書を出した時点や、納品時点などで記載しよう。
仕事内容によって、帳簿で月々の正確な売上を把握する必要がなければ、年末時点で処理するだけで大丈夫。
・買掛金元帳|
仕入れの未払状況を記録する。
「買掛金」はカンタンに言うと、支払いが確定しているけど、まだ払っていないもの。請求書をもらった時点などで記載しよう。
こちらも帳簿で月々の正確な仕入れを把握する必要がなければ、年末時点で処理するだけで大丈夫。(127ページ)
実際に自力でやってみるとすぐに慣れるのかもしれませんが、税理士さんにまかせてて良かったと痛感するくらい、読んだだけでクラクラしてしまいます。。特に売掛と買掛。。
おすすめの青色申告の会計ソフト。
インストール型なら「やよいの青色申告」。
青色申告65万円控除を目指すには、会計ソフトが必須、と著者。
最近のソフトは複式簿記の理解がなくても操作ができ、出来上がりは複式簿記の帳簿になるように工夫されているとのこと。
色々なソフトがありますが、やよいの青色申告(以下、やよい)がイチ推し。クラウド会計よりインストール型の方が扱いやすいですね。
ただしWindowsでしか使えない…!やよいに限らず、インストール型はほぼMacでは使えません。
iPhoneのおかげでMacユーザーが増えました。Macユーザーをカバーするためにクラウドの会計ソフトも増えました。
が、しかし!クラウド版の会計ソフトは、入力の際の反応速度が遅い。どんどん改善されていますが、それでも遅い。
ブラウザ上で動いているから当たり前なのですが、入力に慣れて自分のスピードが上がるとストレスになることがあります。
ソフト導入のお値段もやよいに軍配です。やよいは税法の大改正さえなければ基本は買いきりで対応できますが、クラウド型は月額課金が続きます。
また、知名度も見くびってはいけません。やよいの操作方法ならグーグル先生に聞けば、答えは大体出てきます。(128ページ)
クラウドなら、マネーフォワードクラウド会計。
クラウド会計ソフトのほうが勝っている点として、ネットバンクやクレジットカードとの連携が挙げられています。
あらかじめ登録しておけば自動でデータを引っぱってきて複式簿記の仕訳に起こしてくれるとのこと。やよいでもできるものの、クラウド会計ソフトよりひと手間かかるのだそうです。
クラウド会計ソフトは、マネーフォワードクラウドとfreeeの2強だと思いますが、僕はマネーフォワードクラウド推しです。
入力と集計の話になりますが、freeeは補助科目※という概念がありません。一応、同等の機能はありますが個人的には少しわかりづらい印象です。そこを除けば遜色ないと思うので、補助科目なんて使わないよ?という方はどっちでもイイと思います。
まとめると、パソコン環境で動作可能なら、やよいの青色申告!
パソコン環境でクラウドがベターな方や、ネットバンクとクレジットカードでほぼ取引が完結する方はマネーフォワードクラウド!という感じですね。
※勘定科目に枝葉の科目を持たせる機能。たとえば「交際費・飲食」や「交際費・贈答品」など。この飲食や贈答品の部分が補助科目。勘定科目の中で内訳を集計するために使います。(129ページ)
本書は2018年時点の情報に基づいているので、オススメ内容も当時のものです。
私が会計ソフトを使うとしたら、必要に応じてアップデートされていくクラウド型を選びそうです。あと、無料お試し期間が長めのところ。
確定申告書Bを作る裏技。
書類を用意して一から記入するより国税庁HPの「確定申告書作成コーナー」からが一番簡単に作れるんだよ!
案内にそって入力すると自動で計算してくれてそれを印刷すれば完成
(中略)基本は1つめに作った青色申告決算書を写していく作業(130ページ)
確定申告の期限に遅れた場合のペナルティ。
確定申告の期限3月15日に遅れるとペナルティ発生します。(還付は5年以内ならOKとのこと)
青色申告65万円控除の人は……控除額が10万円に減額!!
さらに!2年続けて遅れると青色申告取り消しになる可能性もないとはいえない……(142ページ)
税理士に相談した方が得なのはどんな時?
個人事業主の確定申告において、税理士報酬の相場は15万〜20万円くらいだと思います。単純に考えると最低税率(→所得税5%と住民税10%)の人は、減る税金より税理士報酬の方が高くつくということです。
税理士へ依頼しても金銭的メリットがある人の目安は、所得税率20%以上でしょうか。
ですが、税理士に依頼すると
・経費の線引きが明確になる→おそらく税金が減る
・税理士チェック済みの申告書になる→安心
・確定申告の作業から解放される→最高
・税務署とのやりとりがあれば全て代理でやってくれる→最高
というメリットはあります。
これらの観点から、確定申告のストレスから解放されたい人は、たとえ自分の出費は増えたとしても、税理士を使うのがよいでしょう。まだ白色申告で、青色申告への自信がない方は、これを機にぜひ相談してみましょう。(149ページ)
私自身も、青色申告用のきっちりした帳簿を作れる自信がなかったので、白色から青色に切り替えるタイミングで税理士さんに依頼しました。
税理士と契約するときの見極めかた。
契約の見極めは、スキルがあるかと、性に合うか。
スキルと言っても特別なものはいりません。最低限、あなたの業界の専門用語が通じるかどうか、それくらいは確認した方がいいでしょう。
自分が身を置くビジネス業界にとんちんかんな税理士を選ぶ方が少なくないんですが、皮膚科の先生に産婦人科の診療を受けるようなものですからやめておきましょう。
(中略)一般の個人事業主の確定申告はそれほど高い税務知識を要求されません。最後は人間性の合う、合わないで決めてしまって大丈夫かなと個人的には思います。(151ページ)
副業で確定申告が必要な人。
アルバイトで給料を受け取っている人
(中略)アルバイト以外で副業の所得が年間20万円超の人
(中略)確定申告しなくてOKな人は?
本業以外の「所得」が年間20万円以下の人(182ページ)
メルカリ出品で得たお金はどうする?
衣服、家具、通勤用の車など、メルカリで生活必需品(新品でも中古でもOK)を売って得たお金は非課税とのこと。
ちなみに1個or1組で30万円を超える宝石、絵画、骨董品などには税金がかかるので申告が必要
転売やせどりで生活必要品を販売してる人
ハンドメイド作品を販売している人
ただしこれらは営利目的として雑所得などの申告対象になる可能性アリ
申告対象になった場合は発送代や商品の材料代も経費にできるので領収書はとっておこう!(183ページ)
ちなみに、経費で購入したもの(本や電子機器)をメルカリで売った収益については「申告が必要」と税理士さんから言われています。
感想:「フリーランス1年目に読みたかった」一冊です。
「税理士は皆、どんな職業にも節税方法にも詳しいはず」というのは間違いで、現在でもe-tax未対応の手書きのみ税理士さんや、資産運用もふるさと納税も未経験の税理士さん、漫画家やブロガーを担当するのは初めて、という税理士さんは結構います。
そんな中、著者は芸術系、ブロガー、クリエイター、WEBに強い税理士さんなので、本書で書かれているアドバイスも、漫画家かつブロガーという自分のようなフリーランスにとって、かゆいところに手が届くほど細やか。
今回の読書メモも、参考になった中のほんの一部。それくらい濃厚です。
青色決算書や確定申告の作成画面の記入例画像も載っている点も、自力でやるときに参考にできて、とても助かるポイントです。
本書は基本的に、
・確定申告初心者の人
・税理士に頼まず自力で確定申告したい人
・会社員しつつ副業してる人
向けに書かれていますが、
・すでに自力で青色申告(e-tax)してる人
・経費の範囲も自分なりの基準がすでにできてる人
・税理士さんに丸投げしている人
にとっても、曖昧だった部分がハッキリして安心できたり、ふるさと納税や小規模企業共済などの節税部分が参考になってオススメです。
現在は税理士さんに丸投げしているものの、それ以前は手書きの白色申告で悪戦苦闘していた身にとっては、フリーランス1年目に読みたかった一冊です。