物や仕事、人間関係、価値観の断捨離について、色々つづっているわけですが。
「今住んでいる家の中」と「自分の心身」のガラクタにばかり意識がいっていて、その「さらに外」にあったガラクタのことを完全に忘れていました。
今回は、過去最大かつ最高額のガラクタである「住んでないのに借り続けていた賃貸マンションの部屋」について語ります。
8か月だけ住んだ1Kの部屋。
断捨離を始めた当時の家の、前に住んでいた物件です。
漫画家デビュー後に住み始めた、(たしか)8畳の1K。
引っ越して早々に仕事が忙しくなり、アシスタントさんが2人入ると一気に窮屈になっていた上、
当時は紙とペンで描く完全アナログ作画だったので、紙類や画材がさらに部屋を圧迫し始めたこともあり、
在住期間約8か月で2LDKのマンションに引っ越しました。
多忙を言い訳にして借りたまま放置。倉庫扱いに。
取り急ぎ、仕事に必要な物だけを新居に移して、本棚や過去原稿、家具・家電などはほとんど元の家に放置していました。
物件を解約せずに、借りっぱなしです。
ときどき、昔の原稿など必要なものができたら取りに行っていましたが、それも年に数回あるかないか。
多忙を言い訳にして、さらには「倉庫代わりなので経費で落とせて節税にもなる!」なんて、さも有効活用してるかのようにうそぶいておりました…。
節税というより、ただの浪費です。
本当の理由は、
「引っ越し業者に頼まないと運べないものがあるけれど、依頼したことがないので手順がよく分からないから不安、調べるのも面倒だった」
です。我ながらひどい。
倉庫扱いにしていた期間と解約時の作業日数。
倉庫扱いにしていた期間は3年5か月。
住んでいた期間の約5倍です。
しかも、たった今過去のスケジュール帳を調べて自分自身が驚いたほど、何年何月に解約したかも曖昧な有様。
支払い続けていた家賃は130万円超えです。
家賃がお手頃な物件だったのでこの額で済んだけれど…。
そして、部屋を空っぽにして引き払うまでの作業日数は、トータルでほんの5日。
時間換算だともっと少なくなります。
たった5日の作業を渋りつづけて、3年5か月も費やしたとは…。
その月々の家賃を、小規模企業共済に積み立てておけば、節税になっただけでなく、将来のための貯蓄にもなったのにな、と今では思います。
今も手元にある当時の持ち物はひとつも無し。
確定申告書の控えと自著コミックスだけはさすがに今も持っていますが、
それ以外の家具・家電や本、画材、小物、衣類など、その部屋にあった持ち物で今も手元に残しているものはひとつもありません。
引っ越し業者に頼まないと…と思っていた持ち物も、部屋を解約するころにはとっくに不要になっていて、廃品回収業者にまるっと有料回収してもらいました。
まとめ。
なによりも恐ろしいのは、こんな大きなガラクタ話を今まで忘れていたことです。
正確には「断捨離を始める前」に解約したので「ガラクタのうちに入れてなかった」、とも言えそうですが、
我ながら「そういう問題じゃない」感がすごいです。
物が増えすぎると、管理が面倒になり、管理できなくなり、考えることを放棄して、最終的に放置してしまうんですよね。
一人暮らしかつ、なにかを収集する趣味もないのに、それでもこんな大きなことすら忘れてしまうほど、たくさんの物事に囲まれていたんだと思うと、
「自分で把握できる物事って本当に少ないんだな」と痛感します。
当時「引っ越し業者に依頼したことないから…」と不安がっていたことも、断捨離を始めて持ち物が少なくなった2017年にいきなり関東への引っ越しを決め、さくっと引っ越し業者に依頼し、2週間で引っ越しをした今の自分には信じられない悩みです。
持ち物が減るだけで、フットワークも軽くなるんだな、ということを改めて感じました。
無駄なことにこれだけお金と時間を使えて、しかもそれを忘れてしまうのなら、今後は旅行や本や美味しいものなど、「経験」「体験」にもっと使っていこうと思います。