美術館・博物館ビギナーな私。
これまでに行ったことのある館はまだ10館にも達していないのですが、そんな中で一番お気に入りの美術館は、埼玉県立近代美術館です。
その理由は、落ち着いてゆっくり座れる素敵な椅子がたくさんあるから!
1階から3階にわたって、常時30点以上置かれているこの椅子たち。最初は「展示のみで使用禁止」なのかと思っていたのですが、「座っていいし、撮影もOK」とのこと。
今回は、企画展も見ないでしょっちゅうくつろぎに行っていた その椅子たちの中から、お気に入りをいくつかご紹介します。
- 1.ヒルハウスのベッドルームのためのハイバック・チェア
- 2.ネルソン・マシュマロ・ソファ
- 3.ガーデン:リトル・ツリー
- 番外.レッド・アンド・ブルー
- 4.プラットナー・ラウンジ・コレクション
- 5.マリリン
- 6.ダイヤモンド・ラウンジチェア
- まとめ
- 【’18.12.3追記】椅子の配置は変わることがあるようです。
- 関連記事はこちら。
1.ヒルハウスのベッドルームのためのハイバック・チェア
最初に惹かれたのはこの椅子でした。
1階ロビーにある、「ヒルハウスのベッドルームのためのハイバック・チェア」(1903年/チャールズ・レニー・マッキントッシュ/イギリス)。
すがすがしいほどにハイバックです。
派手ではない落ち着いた感じが、「なるほどイギリスだあ」って感じます。
イギリス行ったことないですけど。
ぐでーんと背もたれに寄りかかりたい方には物足りないかもしれませんが、姿勢よく背中を支えてほしい方にはうってつけだと思います。
ちなみに、先日見てきた企画展「辰野登恵子オン・ペーパーズ」のリーフレット写真を撮ったのもこの椅子の上でした。
2.ネルソン・マシュマロ・ソファ
ザ・おしゃれ。
「ネルソン・マシュマロ・ソファ」(アーヴィング・ハーパー&ジョージネルソン/1956年デザイン)
1階のエレベーター前に置かれているので、埼玉県立近代美術館に行ったことがある方はほぼ間違いなく目にしているはず。
モダンな家具屋さんで普通に売られていそうですが、なんと約60年前のデザインですよ。
位置的に、すでに誰かが座っていることも多く、エレベーター前ということで人通りもそれなりにあるため、試し座りしかしたことがないのですが、個人的に「おしゃれさナンバーワン」です。
3.ガーデン:リトル・ツリー
これまでの「座るためのデザイナーズチェア」と打って変わって、「座れる美術品」といった感じです。
「ガーデン:リトル・ツリー」(ペーター・オプスヴィック/1985年デザイン)
背もたれの2つの球は、横にくるくる回ります。
背もたれの高さが違うし、回るし、足元の球に両足を乗せるとバランスが悪いので多分片足用だしで、座るためのデザインとは思えないのですが、座面のクッション性は良かったりします。
デザインの遊び心に惹かれて、1度は座ってみたくなる椅子です。
こちらも1階ロビーにあります。お察しの通り、子供に大人気です。
番外.レッド・アンド・ブルー
こちらも、座るためというより、美術としての椅子という感じ。
「レッド・アンド・ブルー」(ヘリット・トーマス・リートフェルト)
一目瞭然ですが、座面も背面もクッションではなく板なので、座り心地は悪いです。
でも写真に撮ってたってことは、やっぱりどこか惹かれたのかな、ということで、番外としてご紹介しました。
4.プラットナー・ラウンジ・コレクション
自由に座れるはずなのに、意外といつ行っても結構空いている、埼玉県立近代美術館の椅子たち。
そんな中、この椅子にはだいたいいつも先客がいます。
「プラットナー・ラウンジ・コレクション」(ワーレン・プラットナー/アメリカ/1966年デザイン)
約50年前にデザインされた椅子です。レトロさを感じないこのすごさ。
”ラウンジ”というだけあって、座り心地もとても良いです。
こちらも1階ロビーにあります。
わりと奥まったところに置かれているのも、人気の理由のひとつな気が。
5.マリリン
説得力がありすぎるネーミングです。
「マリリン」(スタジオ65/デザイン1970年)
こちらは3階に置かれています。
エレベーターのすぐ脇にあるのですが、企画展は2階で、常設展示の「MOMASコレクション」は1階、レストランやショップも1階なので、意外と人がこない穴場です。
もちろん、3階まで上がってきた人はほぼみんな座っていきます。
サイズは3人掛けくらいで、中身がぎっしり詰まったビーズクッションか、低反発クッション、といった座り心地。
椅子と言うよりソファーなので、くつろぎ度は高いです。ずっと座っていたい。
6.ダイヤモンド・ラウンジチェア
現時点での一番のお気に入りがこちら!
…なのですが、日常的なくつろぎの定位置すぎて、意外にも単体での写真は撮っていなかったという。この画像の一番奥にある、赤と白の椅子です。
「ダイヤモンド・ラウンジチェア」(ハリー・ベルトイア)
4番目にご紹介した「プラットナー・ラウンジ・コレクション」と同じく、「座るためのデザイナーズチェア」です。1階に置かれています。
5番目の「マリリン」は確かに最高なのですが、人がほとんどこないと言っても、来た人は間違いなく惹かれるこのソファー。
独占しすぎないように、人が来るとすぐ席を立つようにしているので、ゆっくり座って考え事したり休んだり…にはちょっと向かないのです。
そんな中、いつ行ってもほぼ空いていて、奥まった位置にあって、ラウンジチェアなので座り心地も最高なこの椅子が、わたしの一番のお気に入りとなっています。
まとめ
どの椅子も、「今年デザインされた」と言われても違和感がないのに、数十年以上も前にデザインされたものばかり。
時代を感じるレトロなデザインも良いですが、何十年経っていても「今に馴染む」デザインって最高にカッコいいです。
その点も狙った上でデザインしていたのか、本人に訊いてみたいなあ。
座り心地の良い椅子から、デザイン重視の変わった椅子まで、まだまだ沢山の種類があるので、ぜひみなさんのお気に入りを見つけてみてください。
ちなみに、埼玉県立近代美術館は北浦和公園の中にありまして、この公園が広くて自然がいっぱいで、噴水もあって、とっても空気が気持ち良いのです。
そんなところもお気に入り。気分転換の散歩コースとしてもおすすめです。
埼玉県立近代美術館|The Museum of Modern Art, Saitama
今日座れる椅子 - 埼玉県立近代美術館|The Museum of Modern Art, Saitama
【’18.12.3追記】椅子の配置は変わることがあるようです。
埼玉県立近代美術館の方によると、
「椅子の配置は展示替えのタイミングなどに合わせて変わる」とのことです。
お気に入りの椅子がお気に入りの場所に配置されたら最高ですね。