2020年3月発売、坂上仁志/著のビジネス書「差別化戦略で 小が大に勝てる まんがでわかる ランチェスター理論を経営・営業に活かす方法」(ウェッジ)にて、
漫画80ページの作画とカバーイラストを担当させていただきました。
「ランチェスター戦略」とは、「弱者が強者に勝つ方法」「弱者が一流のNo1になる方法」のことです。
CoCo壱番屋やHIS、アップルのスティーブ・ジョブズや京セラ創業者の稲盛和夫さんも、ランチェスター戦略を実践しています。
著者の坂上仁志(さかうえひとし)さんは、自身も経営者としてランチェスター戦略を実践、結果を出しながら、No1企業を1,000社以上研究し、会った経営者は1万人以上(上場企業の社長だけでも1,000人以上)という、ランチェスター理論のプロフェッショナルです。
本書は、
1.99%の「弱者」の方
2.部下をもつリーダーの方
3.売上20億までの社長の方
といった方に向けて書かれているのですが、それだけでなく、漫画家やブロガーなど、フリーランスとして働く人にも役に立つエッセンスがたっぷり詰まっています。
さっそくご紹介していきます。
【まんが】登場人物紹介。
【株式会社ユーネット】
佐藤 翼(43)
父から店を継いで、ネット販売事業を始めた2代目社長。
高学歴・一部上場の大会社勤務の実績をもつ利奈を見出し採用。
彼女に社長補佐のポジションを与える。
竹永 利奈(32)
飛びぬけた学歴・職歴をもちながら自分のことはあまり話さないミステリアスビューティー。
弱者が強者に勝つランチェスター理論に精通し、会社をNo1に押し上げる。
【バイクショップ「You!」】
佐藤 翔(40)
父親が経営していた、バイクショップ「You!」を翼からまかされて店長になったが、経営はうまくいっていない様子。翼の弟。
【バイク屋喜蔵】
バイク用品を取り扱うユーネットの商売敵。
社長、社員ともに怠惰で意識が低い。
【まんが】ストーリー紹介。
佐藤翼は、父親が経営するバイク屋を引き継ぎ、バイク・キャンプ用品のネット販売事業を営んでいる。
ガムシャラに働いてきたものの、8年経った今、年商が頭打ちになってしまい伸び悩んでいた。
そんな佐藤の前に現れた、高学歴かつ職歴まで飛びぬけている人材、竹永利奈。
社長補佐としてユーネットの経営に携わることになった利奈から「ランチェスター理論」について学び、実践していくうちに、
ユーネットや弟の営むバイクショップ「You!」の売上、ライバル社との競争、社員との関係性にどんどん変化が起こっていく――。
充実のテキスト解説でさらに理解を深められます。
漫画部分は、プロローグ、第一章~第四章、エピローグと分かれていて(合計80ページ)、
各章にはより深くランチェスター理論を学ぶための、著者・坂上さんによるテキスト解説がついています。(合計約120ページ)
イラストやグラフ、具体例も豊富で、わかりやすい構成になっていますよ。
【読書メモと感想】個人的にグッときた部分。
テキスト部分を読んで、個人的にグッときた部分をご紹介します。
超一流の人は「狭く」「深く」「濃く」「長く」やっている。
超一流の人は、1「狭く」、2「深く」、3「濃く」、4「長く」やっています。
だから誰も追いつけない、そして本人は、それを苦しいとも思っていない。(113ページより)
掃除=ランチェスター。
じつは掃除こそが、ランチェスター戦略を身につけるときに、一番役立つものなのです。
なぜなら、「特化する」こと、「やらない決断をする」ことを学べるからです。(148ページより)
中小企業の90%の社長は数字に弱い。
数字を毎日、見ることが大切です。
(中略)多くの中小企業の経営者は、数字に弱く、苦手です。なぜなら、毎日見ていないからです。いい経営者ほど、毎日数字を見ています。
(中略)年商365万円の会社なら、毎日1万円ずつ売れている。だから、今日の日商が1万円あれば○、なければ×としてチェックをすればいいのです。
そうすれば、毎日、数字を見ることが苦でなくなるはずです。(150ページより)
私自身も、フリーランス12年目でありながら、いまだに数字に弱いままなので耳に痛いのですが、○×チェックのような簡単なことからでもいいならできそうです。
「嫌われる勇気」=ランチェスター。
全員に好かれようとしないこと。八方美人、幕の内弁当、万人に好かれるというのはダメです。特徴がなくなるし、差別化できない。だから本当のファンができづらいのです。
(中略)「とりあえず、一応、念のため、ついでに」はやめたほうがいい。それより、嫌われても尖っていたほうがコアなファンができます。勇気をもって試してみてください。(193ページより)
まとめ。
▲本書のカバーイラストは、元原稿といくつか彩色の違いがあります。比べて楽しんでみてください。
今回は、私が漫画部分の作画を担当したビジネス書「差別化戦略で 小が大に勝てる まんがでわかる ランチェスター理論を経営・営業に活かす方法」をご紹介しました。
ランチェスター戦略について学ぶまでは、「No1になるための戦略」と聞いて、「ギラギラとした目で他人を踏み台にしながらのし上がっていく」ような、いかついイメージを抱いていたのですが、
実際は、「自分の可能性を最大限に活かして、他人の役に立ちながらNo1になる極意」という、まろやかなものでした。
フリーランスにも当てはまる部分もたくさんあり、参考になります。
「頭ではわかってるんだけど行動できてない」ことの再確認としてもおすすめです。