みにまるなひげ

引っ越しの多いミニマリスト漫画家「ひげ羽扇」のブログ。


【ネタバレ考察】「キングスマン:ゴールデン・サークル」ハリーと蝶々幻覚とマーリンについて。

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*以下ネタバレ全開なのでご注意を〜*

 

映画「キングスマン」「キングスマン:ゴールデン・サークル」にハマって、3回ずつ観てしまいました。(+「キングスマン:ファースト・エージェント」1回)

ハリーのスーツ姿が素晴らしすぎます。

武器の扱いもマティーニ作るのも鮮やかなのに、パソコンのキーボードは人差し指でポチポチ打ってる不器用さが。。良い!ところどころ詰めが甘くてやらかしてる感じも。。良い!

1作目でハリーが途中離脱したり、アーサーが寝返っていたり、2作目でマーリンがあっけなく離脱したりと、びっくり展開が多い本作。

物語の流れも早いので、「細かい部分は気にせず、超展開をテンポよく楽しむ映画」だと思っていたのですが、繰り返し観ているうちに、「意外と細かく伏線が練られているかも」と感じ始めました。

以下、2作目で復帰したハリーが、


・どの段階で以前のプロ感覚を取り戻し、
・どの段階からウイスキーを敵だと疑っていたのか、
・蝶はただの幻覚ではない可能性、

そして、

・離脱したマーリンの謎について、


好き勝手に考察します。

復帰後|ポンコツだったハリーが感覚を取り戻したタイミング

記憶を失っていたハリーが全てを思い出した後も、蝶の幻覚が見えたり、体がついていかず攻撃を外しまくるという、脳も身体能力もポンコツな状態が続くわけですが。

凄腕エージェントとして、本来の感覚を取り戻したのは、山小屋で解毒剤が割れた瞬間(ハリーが目を見開いてる)だと思われます。

最初は、「割れた音の衝撃で覚醒した(目を見開いた)」ように見えて、「きっかけにしては薄くないか…?」と感じたのですが。

実際は、それまで見えていた蝶の幻覚が、ただの幻ではなく「警告を知らせてくれる能力」だと、ここでハッキリ自覚でき(=「ウイスキーは敵だ」と気づき)、自分の脳は正常だと分かって覚醒。目を見開いたのでは、と。

ハリーの蝶々幻覚の法則性|幻覚ではなく新たな能力

蝶1回目|記憶を取り戻すとき

エグジーから「仔犬を撃つぞ!」と銃口を向けられたことで、ついに1作目の記憶を取り戻すハリー。記憶のフラッシュバックとともに、ハリーの視界に大量の蝶が飛び回ります。

記憶を取り戻す途中、エグジーの顔の周りに多くの蝶が舞うのは、この時点でのエグジーが「仔犬と自分に銃口を向ける危険な人物」という認識だからです。

蝶2回目|酒場

久々のエージェントスーツに身を包み、酒場でエグジー、マーリン、ウイスキーと会話中、乱暴な客連中に絡まれるシーン。

名言「マナーズ・メイクス・マン」からのバトル展開の時、敵リーダーの顔まわりに蝶が飛んでいます

この後、ステイツマンでの作戦会議中、しゃべってるエグジーの隣で、ハリーがやや長い時間ウイスキーを見つめているシーンが。ハリーの視界から見た映像は映りませんが、ウイスキーの顔周りに蝶が飛んでいるのでは、と思わせる瞬間です。

蝶3回目|ロープウェイ操作室

雪山の研究所から解毒剤を奪取し、エグジーとウイスキーが逃げる時、ロープウェイ操作室で蝶が舞います。

このとき、通信機器越しに「ガラハッド!(ハリーのコードネーム)逃げるからロープウェイを操作しろ!」と指示しているのはウイスキー。

ウイスキーの声に警戒本能が反応したのか、この直後敵によってロープウェイが操作不能になり、エグジー(とウイスキー)が危険にさらされることを察知したのか、どちらかは不明ですが、やはり「警告の意味で蝶が舞っている」印象です。

その幻覚を一生懸命手で払っているハリーの様子を見るに、ハリーはまだ、これが「警告のサイン」だと気づいてないようです。

もうひとつ、研究所作戦の冒頭で「ハリーは操作室を頼む」と指示しながらエグジーとウイスキーがロープウェイに乗り込むシーン。

ハリーは乗り込む2人の顔をそれぞれ見て、見送ります。

このときハリーはエグジーを見て微笑んでいますが、次にウイスキーに視線を向けて、真顔になりながら見つめる瞬間があります。

このときハリーの視界は映りませんが、ここでもウイスキーの周りにだけ蝶が飛んでいるのでは、と思わせる絶妙な間(ま)ができています。

蝶4回目|山小屋

山小屋で合流するハリー、エグジー、ウイスキーの3人。

小屋に近づく敵が見え、咄嗟に「伏せろ!」と叫びながらエグジーに手を伸ばしたウイスキー。

エグジーを敵の銃撃からかばうと見せかけて、解毒剤を持ったエグジーの右手を払うことで、床に落として解毒剤入りの瓶を割るシーンです。

パリーン!と割れた瞬間、ハリーが目を見開くのですが、この後、唯一の解毒剤を失ったことに対してエグジーとウイスキーが罵り合う様子を、見開いた目のまま見つめているハリーの姿が映ります。

ハリーの視界は映りませんが、このとき、エグジーの周りには蝶が飛んでいないのに、ウイスキーの周りには飛んでいるという、ロープウェイと同じ様子が目に映っているのではと思われます。

その後、敵襲第一弾を一掃するも、第二弾が来てしまい、「他に武器は無いのか!」とピリつくウイスキー。その顔周りには蝶が

ここでハリーは、「(武器の扱いはまだ本調子じゃないけど)自分の頭はイカれていない、正常だ」とハッキリ自覚。ウイスキーの頭を撃ち抜きます。

記憶回復後、ハリーの視界を通したエグジーの姿が映らない

「蝶の幻覚」=「敵や危険を見分ける能力」では、と感じたあと、

「酒場で絡んできた悪役とウイスキー」以外に、(記憶回復後の)ハリーの視界を通して人物を見るシーンがないか探してみたのですが、該当なし。

もしエグジーをハリーの視界で見たシーンがあれば、エグジーの顔まわりに蝶が飛んでるかどうかで(味方なので蝶は飛んでないはず)、「ただの幻覚」か「危険察知能力」か確信が持てたのですが…。

ただ、ここでハリーの視界越しのエグジーを映さないのがわざとだとしたら。

そう考えると、ハリーの視界越しに映ってない味方がもう1人います。マーリンです。

マーリンは死んでない可能性大。しかし…。

ラスボスである麻薬女王ポピーの本拠地に乗り込む、ハリーとエグジーとマーリン。

違和感1|最期があっけなさすぎる

うっかり地雷を踏んだエグジーの代わりにマーリンが地雷を踏み、結果、爆発し犠牲になります。

せっかく憧れの戦闘前線に立てたマーリンが、敵地に本格的に突入する前に離脱する点に違和感がありました。(地雷探知機のバットがちゃんと探知しなかったのも違和感)

1作目で、ハリーが頭部を撃たれて途中離脱した、あのあっけなさとダブります。

さらには、マーリンをどうにか助けようと慌てるエグジーに対して、ハリーが「仕方ない、任務が優先だ」とマーリンの犠牲をあっさり諦めすぎる点も違和感です。

違和感2|ハリーの視線

マーリンから離れる際、ハリーが真面目な顔でじっとマーリンを見つめるシーンがあります。

敬礼したり、言葉を交わしたりするので、長年一緒に闘ってきた友との別れを惜しむ描写として見つめたようにも思えるのですが、

このとき、ハリーの視界越しには、マーリンの顔の周りを舞う蝶が見えていたのかもしれません。

(カントリーロード歌ってるマーリンと視線を交わすときも、エグジーは涙を浮かべているのにハリーはやけに冷静な真顔ですし)

違和感3|マーリンの右腕を触るハリー

もうひとつ、マーリンから離れるとき、ハリーがマーリンの右上腕をポンと触ります。

マーリンを励ますような仕草に見えますが、1作目の酒場での「マナーズ・メイクス・マン」名シーンで、

敵を倒した後にハリーがエグジーの肩にポンと手を触れる

ハリーの上着に超小型の盗聴器(兼マイク)がつけられていた

描写を思い出しました。

「マーリンは敵である」と認識しているハリーが、「マーリンが地雷から生還した場合」を考え、念のために盗聴器を仕込んだのかもしれません。

実際、2作目制作当初は、マーリンは一命を取り留めていて、最後のエグジーの結婚式にも参加していたようなので、3作目に「実は生きていたマーリン(敵)」が登場する可能性は大いにありそうです。

違和感4|短剣

3人でボス戦に向かうとき、それぞれが武器を手に取るシーンで、マーリンは自分から短剣を選んだのも気になるところ。

カントリーロードを歌いながら、周りの草木を短剣でなぎ払って、敵の前に身をさらすマーリンですが、そこしか短剣の出番が無いのも不思議です。

スパイグッズですから他に仕掛けがあるはず。

さらに増していく伏線疑惑

2作目冒頭でキングスマン拠点が壊滅したとき、目の前に現れたマーリンに対してエグジーが銃を向けながら「タイミングよく爆撃を逃れていたなんて都合が良すぎるな」と疑っていました。

そのときマーリンは、「自分はキングスマンの名簿に載っていないから、標的から外れていたんだろう」と答えていました。

確かにマーリンは前線に立つエージェントではないですが、とはいえ名簿に載ってないなんてこと本当にあるのか…?

1作目の冒頭、エグジーの父(キングスマン候補生)が、敵が隠し持っていた手榴弾に咄嗟に覆い被さってくれて犠牲になったシーン。

その場にいたのはハリーと、もう1人の候補生ジェームズ(このとき訓練完了し“ランスロット”としてエージェントになった)と、マーリンでした。

訓練を兼ねてたとはいえしっかり前線に立ってます。うーん、ますます怪しい。

ハリーは1作目から、


・人質教授の尋問中にICチップの爆発に巻き込まれてしばらく寝込む


・敵地で探知機ジェルが仕込まれたワインを飲んでしまう

・敵の電磁波攻撃にハマってしまって教会で大暴れマシーンと化す

・最後は頭部撃たれて離脱

と、優秀なエージェントにしては、かなりやらかしてるタイプなので、1作目冒頭で敵が隠し持つ手榴弾に気づかなかったのも、本人が言うようにハリーのミスっぽいですが。

ここまで考察すると、ハリーが気づかなかったその手榴弾にマーリンは実は気づいていて、あえて見逃したのでは?と邪推してしまいます。疑い出すと止まらぬ。。

まとめ|3部作らしいので3作目でどういうラストになるか楽しみ

以上、「キングスマン:ゴールデン・サークル」のハリーの蝶幻覚とマーリンについての考察でした。

普段、考察しながら映画を見る人じゃないので、的外れな妄想で終わる可能性が大きいです。その場合は生あたたかい目でご容赦を…!

記憶回復後も本調子じゃなかったハリーが、どのタイミングで元通りに覚醒できたのかハッキリ描かれていないので、1回目見た時はモヤモヤしました。

でも、マーリンの地雷シーン含めて、この蝶の幻覚が3作目への伏線なのだとしたら、あえて視聴者にわかりやすく伝えないのも納得がいきます。

 

キングスマンは元々3部作構想らしく、2024年内に3作目の制作も開始されるようなので、妄想考察の答え合わせも含め、どういう展開になるのかめちゃくちゃ楽しみです。

 

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