将棋界のトップランナーで永世七冠保持者の棋士、羽生善治さんの「捨てる力」(PHP文庫)を読みました。
将棋については最近やっと駒の動きを覚えた程度の私なのですが、10年以上前から羽生さんのファンで、対局を見たりインタビュー記事はもちろん、本を見かけたらすかさず手に取って、自分の仕事や生き方を向上させるヒントをたくさんもらっています。
今回は、そんな羽生善治さんの引き算式の思考法を知ることができる本「捨てる力」の、グッときた部分のメモと感想をつづります。
- 美しさを目指すことが、正しい手を指すことにつながる。
- 洗練されるとは、無駄をなくすこと。
- 今持っている力は早く使い切ったほうがいい。
- 守りたければ攻めなければならない。
- 自分の得意な形にこだわらない。
- 仕事に行き詰まったときは整理整頓。
- 頭ではなく心で考えることを癖づける。
- 器が大きければプレッシャーを感じることはないはず。
- 【感想】「引き寄せ」にも通じる部分があり興味深いです。
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美しさを目指すことが、正しい手を指すことにつながる。
正しい手を指すためにどうするかではなく、美しい手を指すことを目指せば、正しい手になるだろうと考えています。
このアプローチのほうが早いような気がします。
洗練されるとは、無駄をなくすこと。
洗練されるとはどういうことか。
それは、無駄をなくすこと。
完全に無駄がなくならないと絶対に美しくはなりません。
今持っている力は早く使い切ったほうがいい。
温存しとこうとかあとで使おうというのはダメで、今持っている力は早く使い切ったほうがいい。
「最後に力を残しておこうとしても、使う前に終わっちゃうことが多いんですよ」
守りたければ攻めなければならない。
「今は最善だけど、それは今の時点であって、『今』はすでに過去なのです」
これは、米長邦雄先生の言葉。
守りたければ攻めなければならないのです。
自分の得意な形にこだわらない。
棋士として大事にしていることのひとつ。
「オールラウンドプレイヤーでありたいと思っている。同時に、『ひとつにこだわらない』というのが、私にとってのスタイルだ」
仕事に行き詰まったときは整理整頓。
複雑な局面を打開する方法について。
「複雑な局面では、局面を何度も整理し直す。複雑になればなるほど、整理したいという気持ちは子どものころから自然に身についていたかもしれない」
頭ではなく心で考えることを癖づける。
「頭ではなく心で考えることを癖づけることで、人間の持つ余計な概念やエゴがなくなり、無に近くなる。
それで、物事の正しい判断ができるのだろうと思っています。
また、そのような癖をつけると、自然とツキがやってくるのではないでしょうか」
器が大きければプレッシャーを感じることはないはず。
「舞台が大きくなればなるほど、プレッシャーも大きくなる。
対局でプレッシャーを感じることがあるが、そういう時には意識的に、器が大きければプレッシャーを感じることがないはずだと言い聞かせている」
【感想】「引き寄せ」にも通じる部分があり興味深いです。
持ち物も考え方も断捨離している今の私にとって、引き算思考についてまとめられたこの本は、とてもタイムリーな一冊でした。
中でも「今持っている力は早く使い切ったほうがいい」という言葉が刺さります。
断捨離を始めた2015年以降、片づけ本だけでなく自己啓発書やビジネス書をたくさん読むようになっていて、最近では引き寄せの法則本に興味津々なのですが、
これらの本を読んでいると、「無駄をなくす」「こだわらない」「心で考える」など、ジャンルをまたいで共通する点が多くあり、とても興味深いです。
毎回羽生さんの本を読むたびにワクワクして気分が上がる私なのですが、今回もまた大いに刺激を受けました。