キャロル・S・ピアソン著の「英雄の旅 ヒーローズ・ジャーニー」(実務教育出版)を読みました。
人間が持つ12種のアーキタイプ(キャラクター)について書かれた本で、監訳は心理占星術研究家の鏡リュウジさんです。
こう書くと、一見占い本のように感じますが、本書は自己啓発・心理学本です。
アーキタイプとは、生まれ星座や干支のように、12種のうちどれかひとつだけが自分に当てはまる、というものではなく、
この12のタイプすべてを誰もが持っていて、それぞれのタイプを螺旋を描くように繰り返しながら人生を過ごしてゆく、とのこと。
こういった「自分を知ることができる」本が好きというのもあるのですが、なにより、占い本ではない本書を、心理占星術研究家である鏡リュウジさんが監修していると知って、興味が湧いて読んでみました。(鏡リュウジさん好きなんです)
グッときた部分や感想などをまとめます。
- 人生のステージ3段階と12種のアーキタイプ一覧。
- 今の自分のアーキタイプがわかるワークもついています。
- 2018年当時の私のワーク結果。
- グッときた部分のメモ。
- 【感想】 じっくり自分と向き合える本です。
- 関連記事はこちら。
人生のステージ3段階と12種のアーキタイプ一覧。
人生という「英雄の旅」は、準備・旅・帰還の3つの段階(ステージ)を繰り返し移行していくもので、12種のアーキタイプが各ステージでの自分の成長を補っていく、とのこと。
12種のアーキタイプの一覧は以下。
・幼子
・孤児
・戦士
・援助者
・探求者
・破壊者
・求愛者
・創造者
・統治者
・魔術師
・賢者
・道化
それぞれに特徴があり、誰しもがこの12種のキャラクターすべてを持っていて、人生のステージを進むごとに、それぞれのタイプを何度も繰り返し経験しながら成長していくとのこと。
「どのキャラクターが良くてどれがダメか」といった優劣はないそうです。
今の自分のアーキタイプがわかるワークもついています。
巻末に付属しているワークでは、全72問のチェックリストを使って、今現在の自分が人生のどのステージにいて、どのアーキタイプの特徴が強く現れているのかを知ることができます。
かなりボリュームがあるのでやりごたえがあります。
2018年当時の私のワーク結果。
【準備】自我(幼+孤+援+戦)計73
世の中で自分の能力を証明しているところか、旅に(新たなステージに)出る準備をしているところ。
【旅】魂(探+破+創+求)計92
大きな変遷のとき(今以上に信憑性のある本物の存在になるとき)を迎えている。
【帰還】自己(統+魔+道+賢)計98
世の中で自分を表現する時が来たか、自分のパワーを自覚して全体性を体験している最中。
合計ポイントが98と一番多い「帰還」が、2018年時点での私の人生のステージという結果に。
「旅」も計92ポイントと結構高いです。「旅」から「帰還」へ移行してる最中といったイメージでしょうか。
ポイントが一番高かったアーキタイプは「創造者」でした。
創造者が活性化し始めるのは、その人がより適正な自我(エゴ)の発見や創造というプロセスを体験していることの表れだ。(本書より)
仕事を休養して断捨離を始めた2015年から、人生や仕事などの価値観が変わってきていたのですが、2018年は、その新たな価値観で外に向かって行動を起こし始めた年でした。
こうして結果を読みながら、あらためて自分を振り返る作業がおもしろいです。
グッときた部分のメモ。
古いものを手放さなければ新しいものは生み出せない。
古い物をある程度まで破壊したり手放したりしなければ、新しいものは(新たな自己を含めて)生み出せない(96p)
座るときは、ただ座る。食べるときは、ただ食べる。
禅の指導者である鈴木俊隆(しゅんりゅう)は、
「お辞儀をするときは、お辞儀だけをしなくてはならない。
座るときは、ただ座る。
食べるときは、ただ食べる。
これを実践していれば、万物の本質が見えてくる(中略)どのような状況に置かれても、仏陀を無視することはできない。あなた自身が仏陀なのだから」(99p)
マインドフルネス(瞑想)本をきっかけに、「今に集中する」ことの大切さを知った時期だったので、響きました。
勇気を出して自分という人間になれば、まわりから好意を持たれていることに気づくはずだ。
それぞれの旅から帰還を果たした後で、一人ひとりが学んだことを共有すれば、自分の人生を変えるよりもはるかに大きな変容を促せる。
そうなれば必然的に、同様の真実を見つけた仲間が見つかるはずだ。
孤独にさいなまれるのは、自分が見つけた真実を型にはめたり隠蔽したりして他人と共有しないからだ。
勇気を出して自分と言う人間になればーー目に映るものを見つめ、わかったことを受け入れ、その知識に基づいて行動するようになればーーまわりから好意を持たれていることに気づくはずだ。
そこでようやく、手を取り合って新しい世界の創造に取りかかるための準備が整ったことになる。(435p)
周りの目を気にせず「ありのままの自分でいる」 ことの大切さについて書かれています。
【感想】 じっくり自分と向き合える本です。
12のタイプに分けるという、少し占いや心理テスト感がありつつ、スピリチュアルや自己啓発にもつながる部分が多くあって、こういうのが好きな人にはたまらない1冊です。
ワークの回答が変われば結果も変わるので、数年後や人生の転機がやってきたときなど、何度でも楽しめるのも魅力です。
価格から察しがつく通り、全490ページというボリュームなので、分厚い本をじっくり楽しみたい人にもたまらない本だと思います。