みにまるなひげ

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【読書】「最強脳」脳トレゲームに効果はない。真に脳を鍛える簡単な方法【要約メモと感想】

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2021年発行の脳力本「最強脳」(アンデシュ・ハンセン著/久山葉子 訳/新潮新書)を読みました。

著者はスウェーデンの精神科医。日本でもベストセラーになっている「スマホ脳」の著者でもあります。

本書はスウェーデンでまたまた大ベストセラーになり、10万人以上の生徒に無料配布されたという一冊。同著者による書籍「一流の頭脳 」のジュニア版です。

この本の結論は以下。

 

運動をしようーーそうすれば脳は確実に強くなる。(「最強脳」4ページより)

 

「認知トレーニング」と呼ばれるゲーム、アプリなどの脳トレは、実は脳のトレーニングにはならない、と著者は言います。

真に脳を強くする効果的な方法は、「運動すること」。運動をすることで、

・認知力
・記憶力
・集中力

が高まり、さらには

・気分が良くなる
・睡眠の質が改善
・発想力が豊かになる
・ストレスに強くなる
・自信がつく

という効果までついてきます。本書は、

・運動が脳にどのような影響を与えるのか
・具体的にどんな運動をすればいいのか

について学生向けのわかりやすい文章で学びながら、同時に運動へのモチベーションも高まる1冊です。

脳はいつでも変えられるし、成長させられるので、学生だけでなくもちろん大人にもおすすめです。

参考になる部分の要約メモと感想をまとめました。

SNSの「いいね」より運動するほうが幸福度が上がる。

SNSで「いいね」をもらうよりも、運動するほうが幸せホルモンが増えるとのこと。

 

週に3回、最低30分の運動。その間ずっと心臓がドキドキして、なるべく何度も息が上がるように。(「最強脳」33ページより)

 

・1日中幸せ気分でいるためには、長い期間、運動を続ける。
・5、6週間やれば違いを感じられるはず

ちなみに本書で語られる「運動」とは、全身を動かすものならなんでもいいそうです。たとえば、

・通勤通学の速歩き
・ジョギング
・鬼ごっこ
・自転車

・スキー
・散歩
・ピクニック
・水泳
・ダンス

などなど。本書には「家のテーブルで卓球する」という案も。とにかく楽しく続けられる運動ならなんでもOKとのこと。

運動をするとストレスに強くなる。

運動することでストレスを軽減することも可能。発表会や試験前など、極度の緊張やパニック対策にも

 

毎日最低10分、できればもっと長く、週に2、3回、運動を。

有酸素運動が効果的です。つまり、長い時間心臓がドキドキしているような運動です。

何回かやっただけであきらめないで下さい。脳がストレスにしっかりブレーキをかけられるようになるまでには、ある程度の期間、続けなければいけません。(「最強脳」56ページより)

 

・運動すると、運動を始める前よりもストレスホルモン(コルチゾール)が減る。
・運動を繰り返しているとコルチゾールの量は毎回少しずつ下がっていく。

・海馬や前頭葉も運動で強くなるので、パニックになっても素早く簡単に落ち着けるようになる。
・定期的に運動すると、体がストレスに慣れ、ちょっとしたことではパニックにならなくなる。
・ストレスに対する脳のブレーキが強くなるには何ヶ月かかかる。

集中力も記憶力も悪い人の特徴。

アメリカで3000人以上の子供や若者の運動について25年研究した結果、集中力が必要なテストで最も成績が良かったのは運動してる人だったそう。

逆に成績が最も悪かった人の特徴は以下。

・座ってる時間が長い人
・さらにテレビを1日3時間以上見てる人

こういう人たちは集中力も記憶力も明らかに悪く、加えて考えるのも遅かったそう。ちなみに、YouTubeを見続けるのにも同じ影響があるとのこと。

集中力を上げる運動。

最低20分、出来ればそれより長く、脈拍が上がる(心臓がドキドキする)運動を。

集中力は運動後の数時間しか続かないので、朝や午前中に運動するのが良いでしょう。(「最強脳」92ページより)

 

・運動するたび、すぐ集中力が上がるようになる。
・運動後1時間〜数時間、集中力が続く。
・長い期間続けるうちに考えるのが早くなり、集中時間も長くなっていく。
・脳がすぐに他のことを考えてしまうことがなくなる。


長めの散歩をするだけでも集中力が上がるそうです。ただし、長期間続けること。

運動による集中力アップはADHDにも効果大。

たった5分、激しい運動をしただけで、ADHDの人とそうでない人の集中力の差がなくなることもあるほどだそうです。

運動で発想力を豊かにする。

効果は数時間で消えてしまうので、発想力の必要な問題を解いている最中、もしくはその前に最低20分、出来れば30分の運動を。

基礎体力をつけるための運動も週に2、3回やっておきましょう。(「最強脳」121ページより)

 

具体的には、1、2時間で効果が消えるとのこと。

運動、睡眠、スマホの理想的時間配分。

研究による、7歳の理想的時間配分は以下。

・運動:1日最低1時間
・睡眠:毎晩9〜11時間
・スクリーンタイム(スマホ、パソコン、テレビなど):1日2時間まで

そして、この配分を保てているのは20人に1人程度なのだそうです。大人でもスクリーンタイム2時間は厳しいです。

運動で記憶力を良くする。

週に最低3回、30分くらいの運動を。

歩くだけでも効果がありますが、脈拍が少し上がる方が記憶力にとっては効果があります。

長い期間(1カ月以上)定期的に運動するうちに、1日中効果が続くようになります。(「最強脳」182ページより)

 

注意点は、ヘトヘトになるまで運動しないこと。やりすぎると血が脳でなく筋肉にいってしまうため。

筋トレも記憶力アップさせてくれるとのこと。本書では器具を使わない手軽な筋トレとして、プランクやランジが挙げられています。

・知識が最も良く頭に入るのは、運動している「最中」。
・歩きながら本読んだり暗記ものを覚えるのも良い。

また、勉強だけでなく鍵の置き忘れなどもなくなるそうです。

感想:まずは気軽な散歩(早歩き)から。

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▲「最強脳」より。途中イラストもあり、学生にわかりやすい表現で書かれています。


最強脳」は全204ページ厚み1センチ程度かつ、表現が学生向けなので難しい部分もありません。シンプルで読みやすい本です。

訳者の久山葉子さんもスウェーデン在住で、学校では生徒の学力を上げるために積極的に運動が取り入れられているそう。

授業中に集中力切れてウロウロしてる生徒に対し、注意するのでなく

「運動場を1周走ってきなさい」

とアドバイスするのだとか。大人も仕事中に集中が切れたらトイレに立ったりしますし、確かに逆に効率が良さそうです。

私はインドア派なのでつい運動はサボりがちになるのですが、こういう本を読むと心動かされます。単純です。

運動音痴なので体育の授業は嫌いでしたが、本書では、散歩でもダンスでも掃除でも、全身を動かせるならなんでもいい、と書いてくれているので、ハードルが下がってやる気になります。

脳のどの場所を鍛えたいかによって、運動の種類や時間も少しづつ違ってくるそうですが、私の場合、細かく考え出すと運動へのハードルが上がってしまいそう。

なので、脳にとって一番広く効果が得られる、

「週3で30分以上の運動(その間、心臓がドキドキしていること)」

だけ覚えて実践してみます。日頃、少し遠出の買い物や散歩などで歩いてはいるので、それを早歩きにして心拍数を上げてみるイメージで。

スマホやパソコンのやりすぎで睡眠不足やうつ、集中力低下、というのは大人も同じ。ちょっとした運動で改善できるなら、やってみる価値ありです。

「スマホ脳」の読書メモと感想はこちら。

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